情報システムがもたらした恩恵
介護業界が世の中に登場し始めた頃は、介護を必要とする高齢者の身辺のお世話をしていくための施設という位置づけでごく僅かな人が利用するという状況がありました。そういった施設に収容されることを拒む人が多かったことに加え、費用も高かったことからなかなか望んでも介護を受けることができないというのが一般的だったのです。介護に携わる人も薄給で働かなければならず、あまりうまく機能していなかったのが事実です。しかし、介護保険制度が充実すると共に、介護業界のシステム化が進んできたことによって状況が変わってきています。介護に携わる人が不足している状況は変わらないものの、それを情報システムの導入によって補う試みが広まってきました。情報システムを利用することによって事務仕事の効率化や情報共有のしやすさの向上が図られてきたことにより、人数の少ない現場でも多くの高齢者のお世話ができるようになってきています。これによって介護従事者の給料も以前よりは高くなってきており、薄給で働かなければならないという状況は改善されつつあるのが現状です。こういった状況は情報システムが改良されていくにつれてより良い方向性へと向かっていき、近い未来においては介護を受ける側も介護をする側もより良い環境に置かれていくことになると期待されます。情報化社会が介護業界にもたらした恩恵は大きく、これからも大きな影響を与え続けていくことになるでしょう。